上限CPCとは
リスティング広告の入札で使用される上限CPCとは一回のクリックに対して支払うことの出来る上限金額の事です。
そのため個々のキーワードに対して「どこまでお金を出せるか?」について考えなければなりませんが、その判断基準が分からず感覚でやってしまっている方もいらっしゃると思いますので簡単にまとめます。
そもそも最初の上限CPCはいくらにすべきなのか?
これに関しては結論から言うと特に決まりはありません。極端な話一律100円でも問題ないです。
ただし費用に余裕があるのでしたら最初から高めに入札して上位掲載を狙い、高い品質スコアを狙うという方法もあります。
品質スコアに関してこちら➡【まとめ】リスティング広告で使用される用語 - マーケティングハック
数が少ないのであればキーワードプランナーの数字やファーストページビットなどを参考にしても良いですが、実際のところは入札してみないと分からないので、最初はキャンペーンの予算さえしっかり設定してあれば好きな金額にして問題ありません。
上限CPCを変更する時はいつなのか?
これはCPA(コンバージョン単価)を見て判断する事になります。CPAは一件のCVに対して、いくらまでなら許容出来るかによって決まります。
一定期間(早ければ数日)が経過すると、広告グループやキーワード単位で見た時にCPAが基準を超えるものが出てきていると思いますが、それが変更の対象になります。また、CVを獲得出来ており、かつCPAも安価な場合は上限CPCを引き上げても良いです。
上限CPCを変更にする時に参考にすべき指標は?
一定期間が経過するとキーワードごとにCVRに差が出てきますが、LPやサイト構造を変えない限り、このキーワードごとのCVRは季節要因を除くと大きく変化しません。
そしてCVRが高ければCPCが高くても効率的にCVを獲得出来るため、下記のようにCPAから逆算してCPCを決める事ができます。
【上限CPC算出式】
最大の上限CPC=許容出来る目標CPA×CVR
「最大の」とつけていますが、上限CPCを引き上げれば当然費用が嵩みますので費用進捗を見ながら徐々に引き上げる事を推奨します。
上限CPCを変更する時の考え方(運用の基礎)
リスティング広告は小まめに入札単価を調整する事でCPAが劇的に改善する場合がありますが、無意味な変更は逆に効率の悪化を招く恐れがあるので正しい運用を行う必要があります。
簡単ですが下記にカテゴリーごとに上限CPCを変更する時の考え方をまとめてみました
- CVが発生していて、かつCPAも許容範囲内の広告グループ、キーワード
効率が非常に良いため、積極的に投資を強化していいカテゴリーです。平均掲載順位が1.6位以下なのであれば上限CPCを引き上げる事で、さらに上位の掲載が狙えるため上限CPCを引き上げましょう。引き上げ額は上記の計算式か一度に引き上げる金額を10〜20%程度にするなど、ルールを決めておきましょう。
- CVが発生しているがCPAが許容範囲を超えている広告グループ、キーワード
このカテゴリーは、CVが取れていたとしても許容範囲を越えているため効率化が必要となります。
(ただし、運用上必ず一時的に数を追わなければいけない瞬間があると思いますので、このカテゴリーはその時にすぐに使える状態にしておいた方が良いです。)
上限CPC算出式もしくは現在の上限CPCから10〜20%程度引き下げましょう。予算に余裕があるなら、せっかくCVの取れているカテゴリーなので微調整していくことを推奨します。
- CVがなく、コストがCPAの許容範囲内の広告グループ、キーワード
このカテゴリーは優先度は高くないですが、平均掲載順位を上げればユーザーの誘導数を拡大できるため、CV数の拡大を行いたい時は上限CPCを引き上げましょう。目安は10〜20%程度でいいと思います。
- CVがない上にCPAが許容範囲を超えている広告グループ、キーワード
このカテゴリーは効率が悪化しているため改善が必要です。許容できるCPAの2倍程度まではコストを使ってもいいと思いますが、2倍を超える場合は停止を検討してください。予算に余裕があるのであれば10〜20%程度段階的に引き下げていくのも良いと思います。