マーケティングハック

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中国WEB事情|大陸向けにサイトを作成する際の注意点|グーレートファイアーウォール(金盾)、ICP、日本との違い

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高まる対中国人向けのWEB集客需要

2015年2月、ついに中国大陸から観光客が香港、台湾から来日する観光客を上回りました。
また、「爆買い」とも評される買いっぷりにも注目が集まり、ショップや観光施設は中国人の集客に力を入れようという動きが高まっています。
ただ、やはり色々特赦な中国のお国事情から集客のハードルは高く、それはWEBにおいても同様というのが現状です。
そこで今回は中国人のWEB集客に興味がある人に向けて中国の特殊性について解説していきます。

日本人にはハードルの高い中国人WEB集客の特殊性

言語の壁

まず中国人集客をするにあたって最初の壁が「言語」です。中国語には大陸で使用される「簡体字」と台湾・香港で使用される「繁体字」があります・
どちらも同じ中国語なのですが、中国人の友人(大陸出身)に聞くと「どちらも読めることは読めるけど繁体字の表現は分かりにくい」と言っており、やはり若干の違いとはいえ言語が異なると集客に影響が出るようです。
どちらの言語を選択するかは「大陸と台湾・香港の両方」を集客したい場合は繁体字を、「これ以上増えることのない台湾・香港よりも大陸を優先したい」という場合は簡体字を選択するといいでしょう。
大陸の人は都会である台湾・香港に憧れがあるので繁体字を受け入れますが、その逆はないというのが理由です。

検閲

中国でのWEB集客最大の特徴と言ってもいいのが検閲です。
その名も「グレートファイヤーウォール」または「金盾」といい、大陸のネットユーザーが国外にアクセスしようとするとこの官製の検閲システムが働きます。
検閲システムが働くとサイトの読み込みスピードが極端に落ちるため、当然ユーザーが嫌がります。
また中国人の大半が使用している検索エンジン「百度」は表示スピードが検索順位に大きく影響すると言われています。

サーバーレンタルのハードル

上記の検閲を避けるための方法として大陸内にサーバーをレンタルするという方法があります。
検閲はあくまでも国外にアクセスしようとするユーザーにしか働かないので大陸内であれば検閲対象になりません。
しかし、ここでもサーバーをレンタルすることに対してハードルがあり、中国語なのは当然として中国法人または中国人でないと借りることができないことが挙げられます。

広すぎる国土

中国人の知り合いがいて運良くレンタルサーバーが借りられるようになったからといって借りる会社がどこでもいいわけではありません。
中国は北と南にそれぞれ通信会社がありますが、国土が広すぎてそれぞれの通信会社がカバーする地域外からアクセスしようとすると表示スピードが若干落ちます。
検閲ほど影響はありませんが、借りようとしているレンタルサーバーがターゲットとしている地域をカバーする通信会社のものか確認しましょう。

ICP認証

中国でWEBサイトを開設すると「ICP」という認証を必ず取得しなければなりません。
これもまた中国法人か中国人でないと取得できないので日本人にとってはハードルとなります。

SEO対策の対象が百度

日本であればGoogleに対してSEO対策を行いますが、中国ではGoogleが撤退しており百度という検索エンジンがシェアのほぼ全てを有しています。
Googleほど複雑なロジックで検索順位を決めてはいないと言われておりますが、こういった情報も中国語でしかまとめられていないので日本人には不利です。

WEBサイトの好みの違い

色や配置など日本はもちろんのこと欧米とも好みが異なります。
日本人の感覚だと主張の激しい色使いは嫌われますが、中国では好まれたりします。
また日本では新規ウインドウや新規タブがリンクをクリックするたびに立ち上がるのは嫌われますが、中国ではいちいち戻るを押さなくてもいいと好まれています。

中国につてがなければ無理なのか?

ここまで読むとそう思ってしまうかもしれませんが、最近は日本語フルサービスでかつICP認証もセットで取得してくれる企業が多くなっています。
また、大陸内でサーバーを借りるよりも若干表示スピードは落ちますが香港や台湾のサーバーであれば他の国ほど検閲の影響は受けません。
ただし、日本語で対応してくれる企業のレンタルサーバー料は日本国内の相場から見ても相当高いです。
もし中国人の知り合いがいるなら安い香港のサーバーを借りてもらうといいでしょう。月額サーバー料金もドメイン取得費も日本語対応のサーバーと比べるとタダみたいな金額で借りることができます。

まとめ

年々、対中国人向けのWEBサービスを開始するハードルは低くなっていますが、まだまだ技術的にもコスト的にも難しいのが現状です。
ただし、その分ライバルも少ないので開始するなら今しかないかもしれませんね。
私も実験的にではありますが、中国の友人と香港のレンタルサーバーを借りてサイトを運営し始めているのでなにか情報が入ったら続きをおしらせしたいと思います。

もし香港の格安レンタルサーバーに興味があるのでしたらコメント欄か【こちら】からご連絡・ご依頼ください。