マーケティングハック

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葬儀・葬式の業界地図・市場規模・企業分析

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変化する葬儀市場とその規模

身近な人がなくなると、なんらかの形でお別れの儀式を行うことが大半だと思いました。そうした、いわゆる「葬儀」に関連する市場の構造や今後について調べてみました。

日本では高齢化に伴い年間の死亡者数は増加し続けており、2040年ごろまでは増え続けると見られています。
また死亡者数増加にともない葬儀市場は拡大を続けており、経済産業省の特定サービス産業動態調査によると、2013年で1.8兆円程度の市場規模が存在し、長期的には拡大傾向にあります。

しかし、その一方でお寺との地縁のない人が都心部を中心に増える傾向にあり、新規に葬儀業者に依頼するケースが増加しています。
このようなユーザーは従来の分かりにくく高額な料金体系を嫌がる傾向にあるため、従来の葬儀業者とのやりとりを嫌がることも増えてきています。また、葬儀の平均費用は低下傾向にあり直近では約122万円程度となっています(参考記事:葬儀費用の全国平均と地域別平均
こうした背景から近年は、料金を明示し、低単価なパック料金で葬儀を行う企業のシェアが高まる傾向にあります。

葬儀市場の主なプレイヤー

葬儀をメイン事業とする企業のうち
冠婚葬祭互助会ではベルコ、セレマ、日本セレモニー、雅裳園、愛知冠婚葬祭互助会、平安レイサービス、サン・ライフ、たまのやな、アルファクラブなどがあり
葬儀専門企業としては、燦ホールディングス、ティア、東京博善、公益社、福祉葬祭、エポック・ジャパンなどがあります。
異業種からの参入は京浜急行電鉄、阪急阪神ホールディングス、南海電気鉄道など鉄道系企業や生花業者の日比谷花壇などが見られます。
また、低単価かつインターネットを主戦場とする企業としてはユニオンクエスト・オンライン、鎌倉新書、イオンリテール、みんれび、SBIライフリビング、Alive Conciel
などがあります。(参考記事:いい葬儀社の選び方

葬儀業界に関連する周辺産業の関連企業では生花業者のユー花園やビューティ花壇、仏壇や仏具のはせがわ、その他にアスカネットなどが存在し、しだし業者や寝台業者、ギフト、ホテルなどが関連します。

激化するインターネット集客

インターネットでの集客を中心にするブランドとして小さなお葬式やシンプルなお葬式、らくシェルなどがあります。近年では従来の葬儀社もインターネット広告への出稿を強めていますが、パイオニアである小さなお葬式や2017年に10億円の資金調達を発表したシンプルなお葬式のようにWEB広告へのリテラシーが高くないのか的外れな広告が見られます。インターネット集客型のブランドは以下のサイトの様にプランが限定されていることが多く、どこも金額や内容が似通っていることが特徴です。

お葬式のらくシェル

今後の市場予測

これまで宗教に絡むこととして料金体系の明示化などはタブーとされてきましたが、宗教と地縁で結ばれない都市型生活者が増えることでビジネスとしてコスト競争や料金体系の整理が進んでいます。
こうなると、これまでの料金体系でやってきた互助会や葬儀業者は利益が圧迫されるため体力勝負になってくることが予想され、業界再編の動きが進むものと思われます。現に互助会のアルファクラブが低価格隊のユニオンクエスト・オンラインを吸収するなどの動きがみられています。

調査の結果|特定サービス産業実態調査|経済産業省