競争の激化が進むフリマアプリ市場
直近は回復基調にあるとは言え、苦戦の続くアパレル市場に変わり元気なフリマアプリ市場はスマホの普及に伴い急激に市場を拡大しています。
その一端を担うメルカリは2013年の開始から2年間で2000万ダウンロードを超えるなど勢いのある業界です。一方で、参入が相次いだことから競争の激化が進んでおり、女性をメインターゲットとしてきたフリルが2015年7月に男性にも販売を拡大するなど各社ユーザーの取り込みを急いでいます。
フリマアプリ市場の規模と動向
Yahoo!オークションなどのオークション系を含めるかどうかで市場規模が大幅に変わってきますが、今回は新興のメルカリ、フリル、LINE MALL、ラクマなどを対象に考えたいと思います。
まず関連するデータを見ると、2014年の物販系通販の市場規模が約6兆円(経済産業省※B to C)、未使用品や新古品を含んだリユース関連市場は2012年度で約1兆2千億円(環境省)、ニールセンが調査したオークション・フリマアプリの利用者数が2000万人などが出てきます。
また今回は対象にしていませんがオークション最大手のYahoo!オークションは2014年度の流通総額が約8千億円となっています。
ニールセンの調査ではスクリーン別サービス別に利用者数が記載されていますが、そこからざっくりと(メルカリ利用者数+LINE MALL)÷Yahoo!オークション利用者数で計算すると約12%となります。
Yahoo!オークションの流通総額8千億円の12%は1千億円程度なので、残りの上位アプリをたしても1千500億円〜2千億円程度が市場規模と思われます。
市場動向としてはオークション市場からの需要獲得やリユース市場の拡大などに後押しされて拡大するとは思いますが、競争の激化に伴って今後はいくつかのフリマアプリにニーズは集約するものと思われます。
また、サービスの乱立に伴い品質面などを中心にトラブルの発生も増えてきているようなのでユーザーからの信頼を失い、かつてのフラッシュマーケティング市場のように急激に市場が縮小するリスクもあります。
上位企業
今回は市場規模に含んでいませんがオークション系ではYahoo!オークション、楽天オークション、モバオク、ebayなどがあります。
フリマアプリでは、メルカリ、フリル、LINE MALL、ラクマ、kiteco、stulioなどがあり、今後はゾゾタウンのスタートトゥデイも参入を表明しています。
参考資料
ニールセン調査経済産業省資料
ヤフー株式会社決算説明会資料