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電子書籍の業界地図・市場規模・企業分析

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電子書籍業界の状況【市場規模と業界分析】

「今年こそ市場拡大」と言われ続けながらも停滞していた電子書籍市場ですが、2013年と2014年の2年間で急拡大しています。
その要因としては、かつては紙の本の売上減少を懸念して出版社が電子書籍の品揃え拡充に及び腰でしたが、スマホ、タブレットが急速に普及したことを受けて品揃えの拡充が進んだことや最大ジャンルであるコミックの売上拡大が市場を牽引していることにあります。

市場規模は株式会社インプレスが推計しており、2014年は前年比35%増の1266億円で着地しています。また、同社の予測では2019年までに2.3倍の2900億円規模にまで市場は拡大するとのことです。

ただし、アマゾンなどの海外勢から国内の流通、印刷、書店、携帯など様々な業界からの参入が相次ぎ市場は混戦しています。加えて紙の書籍より利益率がいいとは言え、新規顧客獲得の値引きや広告の投下などによりコストが嵩んでいるため赤字の企業もちらほら見受けられる状況となっており、市場は拡大基調ですが参入企業は正念場を迎えています。

上位企業の顔ぶれ

海外勢や他業界の1事業部が展開しているケースも多いので売上などは公表されていないケースが多いですが、
海外勢では、キンドルストア、アイブックストア、グーグルプレイブックス
印刷・書店系はbook live!、honto、紀伊国屋書店Kinoppy
流通・メディア系はヤフーブックス、楽天Kobo電子書籍ストア、セブンネットショッピング、ボンパレeブックストア、ニコニコ静画、ブックウォーカー
電子書籍・コミック・雑誌専業はeBook Japan、電子書店パピルス、マンガボックス、LINEマンガ、コミックウォーカー、めちゃコミック、ビューン、Fujisan.co.jp、マガストア
出版社は講談社やKADOKAWA
メーカー系ではガラパゴスストア、Reader store、ブックプレイクラウドイノベーション
などが存在します。

将来予測とまとめ

出版市場の規模1兆7,398億円(日本出版科学協会、2012年)と比較するとまだまだ差があるため、紙媒体の需要を吸収して市場は間違いなく今後も拡大するでしょう。
デバイスの普及率は2014年でスマホが約70%、タブレットが約20%となっていますが、タブレットがここから爆発的に増えることはなさそうです。つまり電子書籍の普及にはスマホユーザーの取り込みが必須となります。
また電子書籍市場独特の試みとしてはトライアルの値下げが活発だということが言えるでしょう。特にコミックスに関しては新規ユーザー獲得もあるでしょうが、値下げによる価格弾性力の把握や続巻の購入率などのデータが今後重要になってくると考えられます。
個人的には1ヘビーユーザーとして期待もしていますし、課金形態の豊富さなどを楽しんでいますが、市場拡大には良くも悪くもライトユーザーにとってわかりやすく安心できる状況(圧倒的な大手企業の誕生など)が必要だと思います

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