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テイクアンドギヴ・ニーズの企業分析を売上・財務・市場・競合の観点から実施

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テイクアンドギヴ・ニーズ

ウエディング・ブライダル業界の主流となったハウスウエディングでシェア1位を有しているテイクアンドギヴ・ニーズの決算資料が2015年6月に公開されていたので企業分析を行ってみました。

直近の事業の状況

テイクアンドギヴ・ニーズの企業分析にはIR資料などを参考にしています。
今回は2015年3月期の資料をもとに分析しています。

売上と事業ポートフォリオ

テイクアンドギヴ・ニーズの2015年3月期の売上は592億円、前年同期比97.5%とマイナスになっています。
主力事業は国内ウエディング事業と海外・リゾートウエディング事業ですが、国内ウエディング事業が約500億円なのでほぼ国内事業に依存している状況です。

事業別では国内ウエディング事業は前年から売上高が約30億円ダウンしており、苦戦傾向にあります。
特に気になる点としては取り扱い組数がほぼ横ばいということです。資料の組数を参考に一組あたりの単価を計算すると前期は395万円に対して今期は374万円と20万円も単価が落ちています。

海外・リゾートウエディング事業は、前期から約12億円増加の74億円で着地しています。特に新規出店が効いているようで今後も店舗の拡大が続くのかが注目です。
ただ、直近の円高などの影響が非常に気になります。ただでさえ経常利益率が連結平均の5%よりも低い4%弱にある中で財務が圧迫されると新規出店の勢いが削がれる可能性が高くなります。

財務分析

  • 安定性

流動負債が流動資産を上回っており、短期的な安定性に不安があります。

  • 収益性

営業利益は5%と標準並み、資産回転率も1倍以上、ROAも6%と良好です。

財務分析の方法は私が別に開設しているサイトの企業分析の方法と基本的な考え方を参考にしてください・

市場環境や競合状況から見た成長生

市場環境はゼクシィを発行するリクルートのブライダル総研が発表している婚姻組数の将来予測を見ると分かる通り、市場のパイそのものである「結婚をする人」自体が減少する傾向にあるため、減少し続けるパイの奪い合いが競合企業と激しくなることが予想されます。
ただし、数兆円とも言われるウエディング市場に対して業界トップでシェア数%という状況は、まだまだ競合企業から売上を奪う余地があると言えます。

一方で、拡大を続ける海外ウエディング事業は近隣のアジアの婚姻人口が増加していることもあり、有望ですが為替の影響に大きく左右される点が気になります。

まとめと個人的な感想

  • ここ数年は順調に売上を伸ばしてきたが2015年3月期は足踏み、今期もう一度浮上するか注目したい。
  • 国内事業にまだまだ依存しているので、テコ入れが必要だが組単価の減少が懸念材料。
  • 海外ウエディングは数字の上では有望だが利益が低いということは単価が低いのでは?海外の顧客を獲るにしても平均所得が日本よりも低いアジア圏の人たちはコストにシビアで利益が出ない可能性も。