マーケティングハック

マーケティングやビジネスに関する色々について、WEB関連や業界地図、業界分析を増やしていきたいです。

リスティング広告などのCV数と実際の成果の数が一致しない時の対処法

CV数が実際の成果とズレる

リスティング広告やディスプレイ広告を出稿しているとCV数と実際に発生している成果(申込件数や購買件数)の数が一致しない事があります。
最初の頃は原因を突き止めようとして色々調べますが、そのうち頻発するので「そんなもんか」と考えるようになってしまいがちです。
しかし、実は計測に致命的な欠陥があったり、不正が行われていたりするケースもあるので確認はしっかり行うべきです。

CV計測の仕組(既にご存知の場合は読飛ばしてください)

CVは多くの場合クッキーが利用されます。
※クッキーが分からない方は、そのページを閲覧すると付与されるスタンプみたいなものだと思ってください。

広告の種類によって多少異なりますが、WEB上の広告をクリックすると「広告をクリックした人」と分かる様にクッキーが付与され、そのクッキーを保持している人がどのページを閲覧したか分かる様にする事でCVを計測しています。
特定のページを閲覧したかどうかは多くの場合CV計測タグをサイト上に設置し、そのタグがデバイスに読み込まれたかどうかで判別しています。

そのため、例えばクッキーを保持した人が申込完了を知らせるサンクスページを閲覧したかどうか分かる様に設定すれば申込完了数が計測出来る様になるという仕組になっています。

CV数と実際の成果がズレる理由

CV数と実際の成果がズレる理由はいくつかあるので列挙してみます。

  • 計測対象期間が違う

もっともありがちなのがこちらです。
リスティング広告の場合、媒体で計測出来るCVは広告をクリックした日が基準となるため遡ってカウントされる場合があります。
つまり、広告をクリックしてから数日してCVした場合、CVはクリックされた日まで遡ってカウントされます。

  • 間接CVが含まれている

最後にクリックされた広告以外にも複数の広告をクリックして、サイトに何度も来訪してからCVするユーザーは多くいます。
この場合、例えばA広告とB広告を過去にクリックしたユーザーがCVした場合、AにもBにもCVが1ずつカウントされます。

  • CVが正しく計測されていない

CVはサイトに埋め込まれているCV計測タグが読み込まれて初めて計測されます。
しかし、
1.そもそもCV計測タグが設置されていない
2.CV計測タグの読込みが正常に行われていない
などの要因によってCVがカウントされないケースがあります。

1番目のケースはページのソースを実際に確認することで防ぐ事が出来ますが、2番目のケースは防げる場合と防げない場合があります。
ワンタグ等なんらかのツールを介して計測している場合、ツールの不具合などで計測出来なくなることがありますが、再設定や直接対象ページに設置することで対応出来ます。

しかし、そもそもタグが読み込まれる前にブラウザを閉じてしまったり、スマートフォンで電波状況が悪くタグが読み込まれないといった場合は防ぎ様がありません。
原因不明のCV計測の誤差が頻発した場合、デバイス別で確認してみたり、ページを閉じる前にメッセージが出る様に仕組を変更するのも一つの手です。

  • 不正が行われている

あまり考えたくないケースですが、世の中には成果を水増しして報告してくる担当者や広告代理店が後を絶ちません。
CV計測は、その仕組上を広告をクリックしてすぐさまサンクスページのURLに遷移すればカウントされてしまいます。
また中にはブラウザやデバイスを日によって変えたり、わざわざ問合せフォームを閲覧してからサンクスページに遷移したりと手の込んだ偽装が施される場合もあります。
流入時刻とCV時刻が極端に短い場合やCVユーザーの滞在時間が短くなっている場合は不正を疑った方がいいかもしれません。

不正を防ぐためには

いくつか方法はありますが具体的な事例として私は、

  1. 登録フォームの送信ボタンを押すとIDが発行され、登録情報の一部として顧客管理システムに他の登録情報と一緒にIDが管理される仕組を構築
  2. 発行されたIDはサンクスページにjavaspriptとして表示されるようにする
  3. CVを計測するツールにCVとIDをセットで計測出来る様にする
  4. 顧客管理の登録内容と計測ツールのデータを突き合わせて、IDが付与されていないCVはないか、ぱっと見て明らかに不正な登録内容はないかを確認

という手順で不正を防止しています。